03-お金の流れ

企業の生命線!資金繰り表の作り方と使い方講座:利益が出ていても油断大敵!

新聞やテレビで倒産したニュースが流れてくると、どんな企業だと思うでしょうか?大抵は、売上不振で赤字が続いている会社を想像したはずです。

しかし、東京商工リサーチの調べによると、2016年に倒産した544社のうち半数以上の最終決算は黒字だったのです!企業は赤字だから倒産するのではなく、キャッシュがなくなって倒産してしまうのです。

そもそも法人向けの取引ではコンビニでの買い物と違って、その場での現金決済がしづらいものです。納品して検収が上がって、しばらく時間が経ってから客先からお金が振り込まれてきます。一方で、部品の仕入れや、給料や水道光熱費などのお金を支払う日は、お金を回収する日よりも早くやってくるのが普通です。

そのため、売った製品のお金を回収するまでの間、企業が日々の支払いに耐えられるようにキャッシュが途切れない状態にしなくてはなりません。そのために持っていなくてはならないキャッシュのことを「運転資本」と呼びます。

急激に大量の受注が舞い込んだとき、受注をこなすためにガンガン仕入れていると、仕入れ費用が膨れ上がってしまいます。大量受注で大幅な売上増が見込めると思いきや、気がついたら資金がショートしてしまい、天国から真っ逆さまというケースもあります。

このような例を考えてみましょう。

1台24百万円の機械を販売していますが、お金が入ってくるのは4ヶ月目ですが、部品を仕入れる必要があるため支払いは先にやってきます。

この機械を4月から販売を開始したところ、順調に毎月コンスタントな販売先を確保することができ、毎月1台ずつ注文が入ったとします。

この場合、最初の入金のない3ヶ月が厳しくて、50百万円あった預金は6月末段階で8百万円まで行きますが、そのあとは回復して行きます。1年間終わった決算の段階では、利益率15%と好調でした。

次に、4月から8月までは1台ずつ受注し、ブレイクした9月に4台分(96百万円)を受注できたとします。自信を持って販売開始した製品で、顧客からの大きな期待を感じることができたのですから、喜んで生産に入ることでしょう。

しかしながら、この場合は4台分の仕入れ費用が先行した結果、翌月末にはキャッシュが足りなくなってしまいます。想定の4倍の仕事が来て盛り上がっているのに、気がついた時にはお金が足りなくなって倒産・・・これはとても悲しい事態です。

このような事態を避けるために欠かせないのが、資金繰り表なのです。事前にお金が足りないことが分かっていれば、事業計画を示して相談に行き、資金を調達しておくことができたでしょう。事業自体は好調に推移しているのですから。

しかし、お金が底をついてから相談に行っても打ち手が限られてしまいます。自社がどのような状態にあるか、資金繰り表をぜひつけておきましょう。

資金繰り表

お金は企業活動における血液と同じ。いろんなところを巡っていきますが、滞ってしまうと病気になりますし、足りなくなってしまうと一大事です。この流れをチェックして対処するために必要なものが資金繰り表です。

まず、今月入金されてくる金額を計算します。納品して請求書を出した金額に基づいて算出するのが正確でしょう。

次に今月支払う金額を計算します。水道光熱費などは過去の実績から見積もれますし、人件費は従業員数に基づいて計算できます。銀行からの借入金返済について、スケジュールに沿って返済額を記入しておきます。

最後に、先月末の預金残高に入金した金額を足し、支払った金額を引き算することで当月の預金残高を見積もるのです。

この資金繰り表の使い方で最も大事な点は「預金残高を予測すること」です。決算のように「先期はこんな資金繰りでした」ということを報告するのは、資金繰り表の本来の使い方ではないのです。

入金額・支払額を受注予測に基づいて見積もり、今月・来月・再来月の預金残高の数字を計算しておきます。生産リードタイムと売掛金の回収期間から入金のタイミングが分かりますし、調達リードタイムと買掛金の支払期間から支払のタイミングも決まります。

来月・再来月まで予測しておけば、資金調達が必要なことを前もって認識しておくことができ、資金ショートが目の前に迫る前に手を打つことができます。特に大型設備の支払いや従業員へのボーナスの支払いなど、大きな支払いがどこに来るのかはしっかり予測しておきましょう。

そのため、予測した数字(予算)と実際の数字(実績)の管理が重要になります。

 

予算と実績がズレた時に何を見落としていたのか、何を過大に見積もっていたのか、そういった要素を洗い出して行くのです。保守点検の費用を見落としていたなど、予算を立てるときに忘れていた項目が出て来るはずです。

この予実管理を繰り返して行くことによって、予測の精度が上がっていき、資金繰り表の確実性も高まっていきます。

顧客から「支払いを1ヶ月先にしてほしい」という要請を受けたり、調達先から「部品の代金を先に支払ってほしい」と依頼されたりするケースもあるでしょう。そのような場合でも、資金繰り表を再計算することで義理人情だけでなくて数字も加えて冷静な判断をすることができます。

資金繰り表を作り、精度が高まるようにしっかり「育てて」おきましょう。

もったいない倉庫の中身・・・

あなたの会社の倉庫の中に眠っている仕入れた部品、生産で使う部品の予備、文房具やコピー用紙など消耗品のストック、仕掛り在庫などなど・・・これらをお金に換算するといくらになるでしょうか?

買った時の金額を考えると「え?こんなに?」と思うくらいのお金が使われているはずです。そして、備品や在庫が倉庫にあるということは、せっかくお金を払って調達したのに、製品になって顧客に貢献していないということです。売上にもなっていませんので、自社にも貢献していないことになります。

在庫管理でも必要になってくるのが在庫のABC分析です。

倉庫の中には、頻繁に使うため補充頻度の高い部品から、まとめ買いした後、使う機会のない部品まで消費する頻度は様々だと思います。

Aランクの最もよく使う備品グループについては在庫切れで手待ちが発生したり、納期が延びたりしないように管理しなくてはなりません。調達するのも出て行くのも大量なので、流れを途切れさせないように注意して行きます。

厄介なのは、使う頻度の少ないCランクの備品です。

  • 備品を最小ロットで買ったけど使い切れない
  • お買い得セールで買ったが、使う機会がない
  • 調達に時間が掛かるので在庫しているが、注文がない

などの理由で、溜まっていくことが多いのです。

さらに、使う機会があまりないため、必要になったときに倉庫に在庫があると思わず、また新しく買ってしまって在庫を増やすという負の在庫増加スパイラルに陥るケースもあります。倉庫内の備品が増えるほど管理リストも続々と伸びて管理する手間も増大するわけですが、リストが伸びる原因の大半はCランクの備品です。

在庫管理のメリハリをつけるためには、「Cランク備品はまとめ買いをしない」といった管理基準を明確に定めておくことが大切です。「まとめ買いした方が1個あたりの値段が3割得する」という損得勘定が働いてしまいがちですが、使わない備品を増やし続けても管理と保管のコストばかり掛かってしまいます。

まさに、本来はサラサラと流れて栄養を運ぶ血液がひとところに集まって滞留しているような状態です。老廃物をためず、血液が循環して健康になるようにしたいものです。

適正在庫量・安全在庫料や調達方法をランクごとに定め、Aランク備品は品切れに、Cランク備品は過剰在庫に注意して、倉庫を管理していきましょう。

まとめ

  • 資金繰り表を作って、今月・来月・再来月の入金・支払い・残高を予測する。
  • 予実管理を行って、予測の精度を常に上げていく。
  • 在庫のABC分析を行って管理基準を定める。安いと思ってまとめ買いすることは避ける。

 

PAGE TOP