技術者が作った新製品チラシと、オタク青年が合コンでやりがちな自己紹介トークとの意外な共通点

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機械部品や素材といった製品を展示会に出展して、自社製品のアピールを行うことがあるかと思います。

ブースを設計し、ポスター・チラシ・パンフレットを印刷し、実機を展示するための準備も大変です。せっかく出展に高いお金を払ったのですから、多くの方に来ていただきたいものです。出展期間中に商談を行って、新規顧客も獲得したいところでしょう。

しかし、展示会が絶好のチャンスとばかりに自社製品の良さをしっかり真面目に伝えようとするとすればするほど、来場者の心に刺さらないチラシが出来上がってしまうのです!

担当者は気合を入れて準備をしていくのですが・・・真面目な技術者が誠実にチラシを作ると、思わぬ罠にハマってしまいます。


あなたがスーパーマーケットの前を通りかかった時、野菜や冷凍食品の店頭チラシが見えたら「結構お得だな」「買って帰ろうかな」と、すぐに内容が理解できるでしょう。メーカーやブランド、産地、値段などをさらっと見れば、買う・買わないの判断がつくはずです。

しかし、機械部品や加工装置といった生産財はそのようにはいきません。展示物やポスターを見て「その製品はそもそも何をするものか」を知るところから始まるのです。買うか買わないかの判断に至るまでには長く遠い道のりが待っています。

当然、顧客に出展する製品を買って欲しいと思っているのですから、製品の良さを必死にチラシに盛り込んでいきます。結果として、こんな感じのチラシを作りがちです。

  • 製品名を覚えて欲しいから、写真と名前は大きく伝える!
  • 機能も具体的に盛り込んだ!
  • 業界で難しいと言われている作業も簡単に手早くできることをアピール!
  • 技術的な詳細は開示してはいけないので、それとなく匂わせた
  • プロダクトアウトではなく、マーケットインの思想を持って製品開発したことをアピール!
  • 問い合わせしやすいように社名を大きく表示!

チラシを一目見た時から、「この製品知ってください!」「僕のこと、知ってください!」と言う一方的な情念が飛び込んでくるようです。


身の回りで、このような人に出会ったことはありませんか?

  • 聞いてもいないのに良かった頃の学歴を説明し始める
  • 昔はヤンチャしていたトークで過去を語る
  • 俺スゲー感が出るエピソードについて語る
  • 「さすが〜」「すごいですね〜」と言われたくて、誰も知らないマニアックな話題を取り上げる
  • 得意な話を相手に浴びせかけた後は、リアクションが来るまでじっと待つ

「僕のことをよく知って、凄いと思って、好きになってください」と言わんばかりの自己紹介ラッシュ。一通り自慢話をした後は、ドヤ顔して向こうから寄って来るのを待ち構えると言う謎のスタンス。場馴れしていないオタク青年がやってしまいがちなアプローチです。(この記事を書きながら、昔の自分を思い出して胸が痛くなりますが・・・)

相手に理解してもらわないと先に進まないからといって、いきなり自己紹介をしても困りますよね?

そもそも、出会った最初の段階では他人に対して興味なんて持っていないのです。


興味のない段階で浴びるほど自己紹介をしてもらっても、1%も残りません。全て聞き流されて、見落とされて、忘れられて終わりです。

新製品に真摯に向き合い、製品の良さを知って欲しい・買って欲しいと考えている技術者がチラシを作ると、はからずもオタク青年の自慢自己紹介のようになってしまうのです!

製品の情報や搭載機能のすごさを伝えようと頑張っていますが、大事なポイントが欠けています。

 

何の観点が欠けているでしょうか?

 

それは・・・相手の立場に立って考える視点です。

 

まず、初見では相手はこちらの製品に興味を持っていないのですから、相手がチラシを読みたくなるような気持ちにするステップが必要です。製品の紹介をする前に、来場者の気持ちを温めて「製品のことを知りたい」と思ってもらわないと先に進まないのです。

 

相手にとって具体的にどのようなメリットがあるか、どのように便利になるかを明らかにして訴えることが必要なのです。

「自分の仕事が楽になるのか!どんな製品だ?」「うちと似た会社でコストが3割下がったのか。どんな仕組みだろう?」と興味を持たせることによって、詳しい機能を知りたくなるのです。

 

いかにして顧客目線で便利さを訴えるか?

その情報を整理するためのツールにFABE分析というフレームワークがあります。

こちらのステップ「01-売れる広告の必須コンテンツをあぶり出す、FABE分析講座」でも紹介していますが、次回はこれを深く掘り下げて、どのような新製品チラシにして行くと良いのかを解説します。

 

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